フランス気象局 (Météo-France)

【概要】

  • 従来のシステムに比べ、作業効率と文書の検索効率が大幅にアップ
  • オープンソースのプラットフォームであることから、新しいアプリケーションの開発にも有利
  • 機密情報の保護機能を導入したことで、安全な環境での意見交換が可能

背景と課題

フランス気象局(Météo-France)は、フランス環境・持続可能開発・交通・住宅省の科学技術団体として設立された気象機関です。

災害をもたらす可能性のある気象現象を住民や行政機関に警報するのが主な役割で、気圧や、積雪量、海面を24時間年中無休で観察するほか、過去の気象と今後の気象の両方の動向分析を行っています。

フランス気象局は2006年にISO 9001の認証を取得しており、公共機関に義務付けられている方法で文書を取り扱わなければなりません。

しかし、文書管理についてはこれまで文書の分類を管理するという発想しかなく、国、中央、地域ごとの部門がそれぞれ別々のツールを使って文書を管理していました。文書には1つの品質管理システム(QMS) 内でしかアクセスできず、文書の場所も予め知っていなければなりません。また、既存のツールでは文書の題名をキーワードで検索するしか方法がなく、本文に別件や関連情報が含まれていても活用できないという欠点がありました。

導入したソリューション

フランス気象局の品質部門は2008年に解決策を検討し、すべての部門で共有する高性能ドキュメント管理システムを入札で購入することを決定しました。その後、各部門のすべてのニーズを探る専門チームを結成し、入札するシステムの仕様要件をまとめました。

そして、2010年に入札を募集。応募各社の入札を慎重に分析した結果、ソリューションはAlfrescoに決定し、ソリューションの導入はAlfrescoのゴールドパートナーでフランス気象局のサービスプロバイダでもあるAtol Conseils et Développementsに委託することにしました。Alfrescoのソリューションを選んだ理由は、フランス気象局のニーズを完全に満たしていることでした。このソリューションでは、非機密文書であれば品質管理システムで管理されているかどうかに関係なく、同局の従業員(約3000人)が誰でもアクセスできます。それと同時に、機密文書については、特定の権限を持つ一部の人しかアクセスできないように制限できます。

また、優れた検索エンジンにより、キーワードやプレーンテキストなどの条件を様々設定して、効率よく文書を検索できます。

一部の従業員は、文書の分類プランやメタデータを定義、追加したり、文書に検索条件を関連付けることもできます。

同局の各部門には、文書管理を担当する従業員が10~15人います。これらの従業員は、新しいソリューションを使って、局内の様々な品質管理システムに保存されている作業手順書と非機密文書にすべての従業員がアクセスできるように文書を整理、保管できます。また、古い文書をデータベースから削除するのもこれらの従業員の仕事です。「貸出制限」や「機密文書」として扱われる文書についても、古くなった場合はアーカイブし、5年間はアクセスできるように管理します。

元々あった10,000件の文書は、2011年11月1日からAlfrescoに移行され、年末までに7500件の文書が新しいデータベースに保存されました。2012年6月までにはすべての文書がAlfrescoのデータベースに移行される予定です。

Alfrescoの文書データベースには、2種類の文書が統合されます。1つは、気象観測報告書のまとめ方などが記載された作業手順書。これらの文書は随時変更されます。例えば、地元関係当局の要望によって手順や手続きが変更されれば、文書も変更しなければなりません。この種類の文書は現在数千件あります。これらの文書は改訂を重ねるうちにいくつものバージョンが作成されますが、Alfrescoソリューションではこうした複数のバージョンの文書を保管し、文書の履歴から以前のバージョンにアクセスすることができます。

もう1つは、ある時点の状況の記録などの“固定”文書です。例えば、午前9時にロワシー局から送信された気象情報などがこれにあたります。この種類の文書は変更されることがないため、更新情報が発生した場合は別の記録と見なされます。

今後の展開

Atol Conseils et Développementsは、フランス気象局の既存のユーザーやグループが共同作業を行えるモジュールも開発しました。この専用のワークフローを使えば、グループ全員で作業指示書を作成し、最終版を管理チームに承認してもらうことができます。このワークフローを導入するには組織編成を大幅に変更する必要があるため、現在一定数の文書と小人数のユーザーグループで実用性をテストしています。

Alfrescoのソリューションはオープンソースであるため、新しいアプリケーションの開発・導入も可能です。例えば、フランス気象局の品質部門では、作業手順書に含める必要のない戦略的案件を管理チームが内密にオンラインで意見交換、討議できるアプリケーションの開発を検討しています。

まとめ

  • 各部門固有の文書を一括して管理、保管できる独自のソリューションを開発しました。
  • Alfrescoのアプリケーションにより、ユーザーは自分に与えられた権限の範囲内で、Webインターフェイスから様々な媒体を保管、参照、検索、閲覧、ダウンロードできます。
  • 共同作業を基調とした新しいソリューションの導入により、コントリビュータ同士の意見交換という新しい概念のアプリケーションが生み出されました。